ゼネコンとは、”General Contractor”(ゼネラルコントラクター)の略です。”ゼネラル”は「総合的な」という意味があり、”コントラクター”は建設工事分野の「請負者」という意味があります。すなわち、ゼネコンとは「総合工事業」のことです。わかりやすくいうと、規模が大きなビルや、マンション、公共な建築物を担う会社です。
ゼネコンには主に、工事部、設計部、積算部、その他一般的な部署があります。
私はゼネコンの設計部で業務を行ったことがある経験から、ゼネコン設計部の業務内容について記載します。
私自身が大学3年生の頃、就職活動の時に調べたため、学生の方などの参考になれば幸いです。
この記事でわかること
ゼネコン設計部の業務の種類
下記の項目があります。ざっくりと業務の流れ順です。
1.現地調査
2.検討・図面・書類作成(BIM・CAD)
3.プロジェクト関係者(他部署・協力業者)打ち合わせ
4.行政打ち合わせ
5.施主(クライアント)打ち合わせ
6.現場確認・現場打ち合わせ
1.現地調査
設計の前には必ず現地を見に行き、どのような建設地か、まわりにはなにがあるのかなどをイメージするために調査します。
2.検討・図面・書類作成(BIM・CAD)
設計といえば図面作成を思い浮かべると思いますが、実際は申請書類や、議事録など図面以外にも書類作成が多岐にわたります。設計に必要な情報収集・検討を行います。BIMは3D表現が可能なソフトで、2D図面と比べて他部署や施主、関係者以外の人がイメージしやすく、プロジェクト全体の効率化が図れるため、近年日本でも取り入れる会社が増えています。
✎BIM とは
BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略称で、コンピューター上に作成した3次元の建物のデジタルモデルに、コストや仕上げ、管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースを、建築の設計、施工から維持管理までのあらゆる工程で情報活用を行うためのソリューションであり、現在主流になりつつあるワークフローです。
BIMを実現するソフトを使って3次元モデルを作成し、設計から施工、維持管理に至るまで建築ライフサイクル全体でモデルに蓄積された情報を活用することで、建築ビジネスの業務を効率化し、建築デザインにイノベーションを起こしつつある画期的なワークフローです。
※Auto deskのホームページより抜粋
BIMはコンピューターの中に3Dで模型を作るようなイメージです。
例えば:CADは壁を描く場合、線と線の集合体です。
BIMは壁の種類と厚さ、高さの情報を入力して3D空間に配置します。
BIMは毎年徐々にソフトウェアのアップデートが行われて使いやすく、図面化しやすくなってきています。
また、国土交通省の推進により、普及が広がってきました。デジタル時代ではBIMが必須になってきました。
主なソフトウェアはAUTODESK社の「Revit」とGraphisoft社の「ArchiCAD」を使われていう方が多いです。(個人調べ)
ちなみに私はRevitを使用しています。
3.プロジェクト関係者(他部署・協力業者)打ち合わせ
設計は様々な人と関わるため、プロジェクトチームを作り、より良い方法を試行錯誤して物事を決めていきます。
4.行政打ち合わせ
工事を開始するためには、設計したものが法順守していることを確認する必要があるため、役所・消防署・確認検査機関などと関連法規の確認、確認申請などを行います。
5.施主(クライアント)打ち合わせ
施主が求めているものをヒアリングして提案、合意形成、情報共有を行い設計していきます。
6.現場確認・現場打ち合わせ
設計完了後、工事が始まると定期的に現場へ行き、設計図面通りの工事が行われているか確認します。
ゼネコン設計部の業務の割合
上記の業務内容を1週間で平均すると下記の割合になります。
- 現地調査 10%
- 検討・図面・書類作成(BIM・CAD)40%
- プロジェクト関係者(他部署・協力業者)打ち合わせ 20%
- 行政打ち合わせ 10%
- 施主(クライアント)打ち合わせ 10%
- 現場確認・現場打ち合わせ 10%
意外と図面作成以外の時間が多く、黄色で示した30%は外出です。また、打ち合わせが多いです。
施主(クライアント)打ち合わせはコロナ以降、施主によりますがWeb会議が多い印象です。
※設計の種類は3種類あります。下記の記事に詳細があります。
【仕事内容 体験談】建築設計 3種類「意匠設計・構造設計・設備設計」 とは
※私は設計業務に就く前に施工管理を経験しました。施工管理の業務内容は下記の記事に詳細があります。
※あくまで私の経験による一例ですので参考までに。