ゼネコンとは、”General Contractor”(ゼネラルコントラクター)の略です。”ゼネラル”は「総合的な」という意味があり、”コントラクター”は建設工事分野の「請負者」という意味があります。すなわち、ゼネコンとは「総合工事業」のことです。わかりやすくいうと、規模が大きなビルや、マンション、公共な建築物を担う会社です。
ゼネコンには主に、工事部、設計部、積算部、その他一般的な部署があります。
私はゼネコンの工事部で建築施工管理業務を行ったことがある経験から、ゼネコン建築施工管理の業務内容について記載します。
私自身が大学3年生の頃、就職活動の時に調べたため、学生の方などの参考になれば幸いです。
ゼネコン工事部の建築施工管理業務の内容
建築施工管理業務の重要な4項目「QCDS」について、それぞれ紹介していきます。
まず、1つ目は「Q」 Quality クォリティー、【品質管理】です。
施主は大きな買い物をします。
品質の良い建物を引き渡すことで、安心して建物を使用でき、信頼の積み重ねにより次の仕事につながります。
2つ目は「C」Cost コスト、【コスト管理】です。
会社の利益を確保することが重要です。
3つ目は「D」Delivery デリバリー、【工程管理】です。
いつまでに誰が、どのような作業をするのかなど、スケジュール管理します。
4つ目は「S」Safety セーフティ、【安全管理】です。
職人の安全を確保し、作業しやすい環境を作ることで品質、コスト、工程の全てに良い影響を与えます。
ゼネコン工事部の建築施工管理業務の1日の流れ
全員集合してラジオ体操後、朝礼を行います。
その日の職人の作業内容と注意事項を確認し合う、重要な場となります。
多いときは職人の職種が数十種類に及ぶので、現場内のどこが危険なのか、どこで他の職人が作業しているのかなど、職人同士の確認の場となります。
職人へ作業内容を指示します。
どこでどのような作業をしてほしいのかを明確に伝え、どのくらい作業時間がかかるのか、作業方法は問題ないのかなど、打ち合わせを行います。
職人の手配や、資材の手配など行います。
職人と翌日の作業の確認や、作業場所の調整をする打ち合わせを行います。
休憩です、昼食を取った後、昼寝をする人が多いです。
朝礼と同じく全員集合して昼礼を行った後、午後の作業を始めます。
施工管理者同士の打ち合わせを行います。
現場の戸締りをして退勤となります。
以上が、基本的な1日の流れとなりますが、他にも時間の合間をぬって行う業務があるので紹介します。
写真撮影
図面通りに鉄筋が並んでいるか確認し撮影します。
建物完成後、見えなくなる部分や、法的に重要な部分の証拠を残します。
職人とコミュニケーション
コミュニケーションは重要な業務の1つです。
施工管理者は実際に施工する「職人」を管理する立場ではありますが、「偉い」わけではなく、職人を「サポート」する立場、というイメージです。
普段から積極的にコミュニケーションをとることで、職人が気持ち良く作業を行うことにつながり、結果的に建物品質向上や職人の安全管理につながります。
事務所での事務作業・図面チェック
事務所で行う業務として、書類整理や発注など、多岐にわたります。図面チェックも重要な業務です。
以上のことから、現場での業務と事務所での業務を、1日の限られた時間の中で効率よく配分することがとても重要になります。建築施工管理者の1日の流れの1例となります。
建物竣工前は職人の作業が夜遅くまでかかり、退勤時間が遅くなる場合があります。
以前は日曜日のみ現場を休みとし、土曜日は毎週現場をあけていましたが、最近では、2週間に1回、土曜日の現場を休みとする「4週6休」が多くなりました。
また、施工管理者の休みを平日に取り、週休2日と変わらない、「4週8休」を目指しています。
参考 工事部での私の経験談
私の業務経験としては、3年半の間で5箇所の現場を経験しました。
物件の用途は賃貸住宅、学校、研究所、病院、事務所など、多種多様です。
おおよそ1年に1箇所の現場に配属されるため、多種多様なプロジェクトに関われることが”ゼネコン”の良さであると感じます。
※私は施工管理業務の後に設計業務に就き設計を経験しました。設計の業務内容は下記の記事に詳細があります。
※設計の種類は3種類あります。下記の記事に詳細があります。
【仕事内容 体験談】建築設計 3種類「意匠設計・構造設計・設備設計」 とは
※あくまで私の経験による一例ですので参考までに。